灰を被らないシンデレラ




「ハッ!こんくらいでビビってちゃ世話ねえわ。んで?自分の方が相応しいって?…ハッ!生憎こちとらテメェみたいにお上品に育ってねぇんだよ」
「そんな…柊…」
「喋んなっつったろうが。テメェみてえな気色悪い女誰が好きになるかよ。思い上がりも大概にしろや」


沙里奈の瞳に絶望が浮かぶが、柊はそれを興味なさげに見下ろしていた。


「つかそもそもが間違ってんだよ。憂に誑かされたんじゃねえ、俺が憂を死ぬ気で手に入れたんだ」
「ーーっ」
「億が一にもお前に勝ち目なんかねぇ。分かったらとっとと消え失せろ」


柊は腕を掴んでいた手を離し、乗り掛かっていた身体を起こして沙里奈を解放する。

痛そうに肩を押さえながら身体を起こす沙里奈を尻目に、柊は呆然とする憂を抱き寄せ自身の胸元に顔を押し付けた。


「昔のよしみでひとつ、忠告しといてやるよ」


そうして憂に顔が見えないようにした柊は沙里奈を見下ろし、瞳孔が開き血走った目を向けた。


「次にこいつに手ェ出してみろ。…二度と日の光を拝めない身体にしてやるからな」