「テメェ…いい加減にしろや…」
地を這うかのような、どこまでも低い冷徹な声が足元から聞こえた。
目を向けると柊は沙里奈を地面に組み敷き、ナイフを持っていた腕を捻り上げていた。
「こんなもん取り出したからには覚悟出来てんだろうなァこのドグソ女!」
ぐ、とおよそ人間の腕が向いてはいけない方へ向かって柊は沙里奈の関節を向け、彼女が痛いと涙を流し悲痛な声を上げても微動だにしなかった。
「柊、お願いやめて…!貴方どうしちゃったのよ!」
「喋んな。さっきから黙って聞いてりゃ胸糞悪ィことばっか言いやがって、テメェ如きが俺の何を知ってんだよ」
柊は奪ったナイフを慣れた手つきでくるくると回し、勢いよく振り下ろして沙里奈の顔の隣に思い切り突き立てた。
「っ、キャア!」
悲鳴が上がり、途端に沙里奈の顔が恐怖で染まる。



