そちらがその気ならいっそ無理矢理にでも別れさせてやれば良いと思い、直接女の方に揺さぶりをかける事にした。
思った通り、それは驚く程にうまくいった。
所詮は経験の浅い子供だ。
少し動揺を誘うだけで直ぐに狼狽えた。
けれどそれを表に出すまいと反抗的な目を向けるその顔が心底気に入らなかった。
分不相応なくせに一人前に高望みをする図々しい女。
大嫌いなタイプだ。
そこからは柊どうこうというより女の態度が気に入らず、徹底的に叩き潰した。
沙里奈に惚れ込んでいるヒモ男を使って憂の行動パターンを調べ尽くし、プライドを捨てて煽りをかけた。
柊との長い絆を見せつけ、己の立場をひけらかし力の差も見せつけた。
必死になって平静を装うとしながらも徐々に嫉妬に塗れた顔を見せてくる姿は快感で仕方がなかった。
同時に柊にも揺さぶりをかけた。
妻の名前を出せば直ぐに現れたのは気に入らなかったが、部屋に持ち込んでしまえばこちらのもの。
そう、思っていたのに。
素肌を晒しどれだけ手を尽くして誘っても、柊は欠片も反応しなかった。
ただただ冷めた視線を向けて「これで満足かよ」とだけ言い放って帰って行った。
恋情どころか憎悪も嫌悪も無い、本当の無関心。



