しかしそんな憂の考えを知ってか知らずか、柊はあっけらかんと続ける。
「素っ裸になって触られても全く反応しなかったんだから、物理的に無理だしな」
ついでに言うと時計はその際に剥かれたらしい。
あまりにサラリととんでもないことを言い放つ柊に頭痛がしてきた。
そうだった、この人はこういう品性に欠けるところがあるんだった。
自分が言えた立場ではないが、それを置いてもこの人は群を抜いている気がする。
けど、まあ。
逆に少し信憑性が上がったというか、なんだか逆にあれほどまでに自分を攻撃していた彼女がここまで柊から何も思われていないと知り、少し哀れにすら思えてきた。
[柊さんのこと信じるよ]
画面を見せながら微笑めば、柊は少し安心したような表情を見せた。
「心配かけて悪かった」
全てが解決したわけではない。
柊に関係を求めて拒絶されても直接会いにくるくらいなのだから、きっと沙里奈はまた接触してくるはずだ。
「あいつの事は必ず俺がケジメつけるから、お前は身体を休めることだけ考えてろ。…けどその前に、まずここを引き払う」
引き払う、それはつまり引っ越しをするということだろうか。



