灰を被らないシンデレラ





「無責任でごめん。でも、憂にしか決められないことだから…」
「ううん、はっきり言ってくれて寧ろすっきりした」


香里の言葉は正しい。
逆の立場でも同じ事を思う。


ちゃんと柊と向き合おう。
そしてまずは信じられなかった事を謝ろう。

誤解があったのならそれでいい。
そうじゃなかったとしても…きちんと今後の事を話し合おう。


「香里、私ちゃんと話すよ。当たって砕けてくる」


そう言うと、香里は驚いた顔をした後困ったように眉を下げた。


「砕けたら駄目じゃない?」
「万が一って可能性もあるし」
「んー…じゃあその時は、私の胸くらいは貸してあげるよ」


そう言って自身の胸元をぽんぽんと叩く姿に頼もしさを感じた。
姉がいたらこんな感じだったのだろうかと少しだけモヤの晴れた頭の片隅で思った。

とりあえずその日は夜遅いこともありそのまま香里の家に泊まらせてもらう事になった。


客用の布団を床に敷き、憂はそこにありがたく横になる。

おやすみと声をかけられて電気を消すと、それまでの疲れがズンと体にのしかかってきて頭が重くなり、ゆっくりと眠りに落ちた。