ほんとの初恋

あまり時間が無いが、伝えないといけないことがある。

先ずは、二人の事。
他には…、やっぱり二人の事だけ。

お父さんが手洗いうがいをして、やけに遅かったが戻ってきた。

リビングの会話が一瞬止まる。

「はじめまして、郁さんと同じ病院で働いている整形外科の一ノ瀬賢人と申します。
この度、郁さんとお付き合いと、ゆくゆくは名古屋で一緒にやっていきたく、お許しをお願いに来ました」

周りの視線が冷たい。
両親以上に郁が一番冷たい目で見てる。
当たり前だろ。彼女にはまだちゃんと話してないし、返事ももらってない。
名古屋に来たついでに言うことではない!

静かになって、話しやすい雰囲気が悪い。
ただもう後戻りはできない。