ほんとの初恋

話ながら携帯を触ってる。
「今から郁ちゃんが来るから自分で何とかしろ。
あほらしいから俺は帰るし、今日はおまえのおごりって事で」
後ろ手でひらひら振って帰っていった。
…、おごりってまだなにも食べてないじゃない。

暫くして五十嵐が店にやってきた。
慌てて走ってきたようで息を切らしてる。
「大丈夫ですか?」
大丈夫ですかって、増田はなんて伝えたんだ?
「賢人先輩が緊急事態で緊急の話があるって」
とりあえず水を飲め。
俺が緊急事態で走ってきたのが申し訳ないけど嬉しい。
「今度は私が賢人先輩を助けますから」
両手で財布を取り出して見せる。
お金が足りないとか思ってる?
笑っちゃいけないけど笑ってしまう。
いつもはシュッとした美人だけど、今の彼女はすっぴんで可愛い。