ただ、一面の青。




家はいつも通り真っ暗。手探りでスイッチを探して電気をつければ、明るくなった室内が痛いほど眩しい。乱雑に散らばった物を踏まないようにリビングに進む。机の上には裸で置かれた1万円。

《ご飯代。今日も帰りが遅い。コンビニばかりではなく、たまには自炊しろ》

毎回律儀にメモなんて残さなくていいのに、父親は俺には似てなくて真面目だ。俺のいい加減な性格は母親譲りなんだろう。


一万円を雑にポケットに突っ込んで、飯でも買いに行くかと外を見たらポツポツと雨が降ってきた。空の黒さ的に大雨になりそうな気がする。

天気予報を見るためにスマホを開けば何件も連なるメッセージ。

《サク、私の事フるなんて》

《誰とも付き合ってないなら私と…》

《一度だけでもいいから話を》

メッセージを開かなくても分かる内容に辟易しながら、買い物に行く気も失せて自室に向かう。

部屋のカーテンは朝のまま開けっぱなしで、外の天気が丁度よく部屋を薄暗くしていた。電気もつけず布団に寝転んで雨が窓にぶつかる様子を眺めていると、また誰かからメッセージ。

苛立ちに任せてスマホを放り投げる。ガンっ、とどこかにぶつかった音がしたが確認するのも面倒だ。