「リン追いかけろよ」という瀬戸に「やだよ、拗ねたユナめんどいもん」とドライなリン。2人が同時に俺を見たが「追いかけるわけねーじゃん」と言えば、話はすぐに終わった。
「でも実際、菜乃花ちゃん何者?」
いくら興味津々に見つめられても答える気は毛頭ないので「余計な詮索マジでうぜー」と帰り支度を始める。
「わかった!わかったから!最後にこれだけめっちゃ気になるから聞かせて!!」とリンが大声を上げる。
「サクは菜乃花ちゃんが好きって事でOK?」
同じような質問ばかり。うんざりしてため息で返す。
「違う。嫌い」
「え、じゃあ何で付き合おうとしてんの?」
「…見張るため」
俺の言葉に2人は戸惑いの表情。
「え?待って、サクの日本語がわかんないんだけど。瀬戸分かる?」
「全然わかんない。見張るって何?植草さんってスパイなの?」
「うぜー」
「え、でも待ってサク、本当に意味わからん」
戸惑うリンに瀬戸が「でもまぁ、サクが口下手なの前からじゃん。気にした方が負けだよ」と呆れ顔で笑った。
「そう言うことだ。帰んぞ」と半ば無理やり話を終わらせば、諦めた2人も一緒に帰路に着いた。
俺だって菜乃花と再会したばかりで混乱してる。
放っておいて欲しいのに何でこんなに騒がしいんだろうか。俺が誰を好きとか嫌いとか、そんなの他人にはこれっぽっちも関係ないのに。
関係あるのは菜乃花だけなのに。
静かなところに行きたい。
2人で、あの頃みたいに。
