ただ、一面の青。


「お前には関係ない」

「あるよ!」

段々ヒートアップしてきたユナは下唇を噛み締め座席から立ち上がった。

「サク、ユナの気持ち知ってんじゃん!!」

「じゃあ何?お前彼女になりたいの?すぐ終わっていいなら、別にそれでもいいけど」

「他の元カノと一緒なんて嫌!サクのクズ!!でも……何でユナじゃダメなの?」

好きになってよ、と項垂れたユナをぼんやり見つめる。

「お前は友達だから」

「じゃあ、あの子は友達じゃないのね?」

「おー」とテキトーに肯定すれば、一旦落ち着いたのかユナはまた席に座った


「…じゃあ、あの子の事もすぐ忘れるんだよね?」

「…」

「付き合って、すぐ別れて、名前も思い出せない元カノになるんだよね?」

「…」

「サク、何で答えないの?」

「…菜乃花は、」

言いかけて、怒りの形相が俺を睨む。化粧が崩れるのが一番嫌いなくせに、涙で色々ハゲてきてる。


「ほら、それ!『菜乃花』なんて名前呼んじゃって!サクが名前呼ぶのユナだけだったのに!!」

「…は?だる」

また舌打ちしそうになるのを堪えれば、リンが俺達の間に割って入って「まーまー、2人とも落ち着いて?」と両手で静止のポーズをとった。


「サク、正直俺も気になるよ?街で会った時から違和感あったもん。菜乃花ちゃんって元々知り合いなの?」

「…」

無駄な好奇心は本当に気が滅入る。

俺達の事なんて説明できないし、それに、少し怖い。
事実を知ったら俺を見る目が変わるんじゃないか、と。