「確かに、あんたみたいな平凡な子、サクが相手にすると思えない」
「ですよね!」
嬉しくない言葉に光明が見える。よし、この調子で誉め殺しだ。
「先輩方みたいに綺麗な方がいたら、私の事なんて何とも思いませんよ!本当に調子が悪くて助けて貰っただけなんです」
「…本当に?」
「はい!なので仮に新しい彼女がいても、それは私ではありません!」
青くんの事は大好きだけど、付き合いたいとかそんな烏滸がましい事は考えていない。
ただ、少し遠くから彼の幸せを見ていたいだけ。
その手助けがしたいだけ。
願いを叶えてあげたいだけ。
それは、愛に他ならないのだけど、愛と認めてはいけない気がした。
「それにしても、こんな綺麗な方達をフるなんて見る目がありませんね!先輩達みたいに美しい人、私初めて見ました!」
にこりと笑えば「…早とちりだったみたい」と先輩達は気まずそうに去っていく。その調子で噂も訂正し回って欲しい。
彼女達の姿が見えなくなると今更震え出す膝。
「き、緊張した〜〜」
人の機嫌を取る事に慣れていても、得意ではない。殴られたらどうしようかと本気で心配だった。
その場でへたり込み、早鐘を打つ心臓に手を当てて呼吸を整えていると「詐欺師の才能あるね」とどこからか声。
