私は青くんに何かを言える立場ではない。
彼の許しを得る為には自分を犠牲にする必要がある。それほど酷い事をしたから。青くんの望みが、私が学校中の人間に嫌われる事なら、それも仕方ない。
でも、他の人の怒りを直接背負う勇気はなかった。
有象無象の一人でいたいのに。誰にも注目されず、褒められも貶されもしないで生きていきたいのに。
私の償うべき相手は、あまりにも目立ちすぎる。
外に出て漸く顔を上げると青くんと目があった。と言うより、青くんが私を見ていた。考えが読み取れない双眸に、困ったように見返せばすぐに視線が逸らされる。
手は繋がれたまま。痛い程強く握られて振り解けないので、黙って後を付いていけば繁華街の片隅にある小さな公園に立ち寄った。
「喉乾いた」
一言だけ発した彼は、ポケットから片手で器用に小銭を取り出して、自販機のボタンを押した。ガコン、と音と同時に腰を屈めて烏龍茶を取り出すと、私に「はい」と渡してくる。
持っておけという事だろうかと、無言で冷たいお茶を受け取れば、青くんは再度小銭を投入してボタンを押した。
「えっ、、これ、私に?」
「…黙って飲んどけ」
「…あ、、はい」
