分かっていた。 亮にはそんな気などないと……。 ──“好きだ”。 そんな言葉、亮から貰った事などない。 …でも。 ─…それでも好きだったの。 そんな思いは裏腹に、亮はあたしの背中に蹴りを入れた。 「痛い!やめてよやめ……!!」 「うっせー!!!!」 そう叫んだ瞬間、顔に拳がめり込む。 「ひっ──……」 口の中が血の味になる。 「これ以上殴られたくなかったらジッとしとけよ?」 その言葉に涙が溢れて何も言えない。