───PRRRRR──………
───PRRRRR──………
……心臓が今にも喉から飛び出そう…
───PRRRRR──………
相変わらず無機質な呼び出し音はしばらく続き─…
━━━━━━ガチャ！
『………はい』
────ﾋﾞｸｯ！
いかにも不機嫌そうな亮の声が、ケータイを通して聞こえてきた。
「───あの……
……あたし……彩だけど…」
────ﾄﾞｸﾝﾄﾞｸﾝﾄﾞｸﾝ…
……ダメ……。
亮の威圧感が凄すぎて、声が全然出ない…。
『───…何？』
……何って…
それを聞きたいのはこっちなのに。
あれだけしょっちゅう電話してきといて、その言い草は何？
「……亮、ちょっと話があるんだけど……」
『ごめん、今忙しいんだよな』
「え？」
『話なら聞くからさ、明日俺の家きてくんねぇ？』
「……」
どうしよう？
改めて電話掛け直した方がいい？
いや……
大事な話だから、直接会って話した方がいいかな……？
『じゃ、また明日』
「──あ！ちょっ……」
───ﾌﾟﾂｯ！
ﾂｰﾂｰﾂｰ…
「……うそ……」
迷っているうちに亮から電話を切られてしまった。
……最悪……。
「……でも…」
亮の顔を見てハッキリ言ってやろう。
振り回すなって。
連絡してくるなって。
───…そう。
この時のあたしは、簡単にそう言えると思っていたんだ。
───でも……
………考えが甘かった。
甘すぎた………。
