「……あっ、いや!!
彩は見ない方がいいんじゃない……かな…」
「は?だから何──…」
───────……
そう言って、息が止まった。
「……………」
春の風が吹く中庭には、
ある見覚えのある姿。
──………う……そ……
間違いなんかじゃなかった。
中庭には、高山さんがいた。
───女の人と一緒に、仲良く肩を並べて。
………そんな………。
嘘でしょ………
視界に見たくもない画像が焼き付けられる。
高山さんの隣にいる女の人は楽しそうに笑っている。
その笑顔が氷の刃となって、体全体を貫かれている気がして。
───思わず……
目を、伏せた。



