その時




━━━━━ガラッ!



ふいに背後のドアが開いた。





「────……あれ?

朝岡さん今日来てたんですか?」




────ドキッ………!



たっ…高山さんっ…!!!!



今日は何かと心臓が忙しい日だ。




高山さんがそう言って部室に入ってくると、あたしはまた再び上がる心拍数に悩まされる。




………やばい。



こうやって二人が並んでたらすごい絵になるんですけど───…。





「あ。桜井さん!」



────ニコッ♪


高山さんが彩に気付いて笑いかけてくれる。




それだけで



………───っ。




また肺に空気が刺さる感覚。




「……どうしたの、ぼーっとして。

つか、鞄落ちてるし。」




高山さんはあたしの鞄を拾い上げ、不思議そうに彩を見つめた。





「────……」




それを見て、クスクスと朝岡さんが笑っていた。




───…もうっ…!

高山さんに変な子だと思われたじゃない…っ




「~~~…っ」




真っ赤になって俯くあたしに、朝岡さんは悪戯に舌を出して笑った。