「────……」





真剣な瞳でこちらを見てくる朝岡さん。


先程までの少年のような笑顔はどこに消えたのか……。


今では妙に大人びた朝岡さんが目の前にいる。




じりじりと近寄ってくる朝岡さんに




……ちょ───……



ち、近い

近いって───……







「───…って俺が言ったら……


どうする───…?」




「───……え……」




━━━━━━ドキンッ!




空気が


肺に刺さる気がした。





─────サァァッ……



風に吹かれ、朝岡さんの髪が揺れる。


白いシャツが風を受け、小さくはためいた。




────ドキドキドキ……




───……大人の魅力?



だって……


こんなに引きつけられる瞳なんて知らない。





───かっこよかった。



言葉にするにはもったいないくらい。


まばたきするのも忘れたくらい。


───…とてもじゃないけど。



近寄って来ることに対して文句を言うなんて、反論するなんて。




───…そんな余裕なんて湧く“余裕”すらなかった。