「………良かった。
今年は新入生入らないかと内心焦ってたんだ。
入部してくれて本当にありがとう。」
「いえ、あのこちらこそ──……。」
完全にぎこちないあたしに微笑み、高山さんはまた口を開いた。
────キュッ……。
……勝手に、笑顔が胸に焦げ付く。
……思うに、笑った顔も反則だ。
「……じゃあ、今週の水曜日に早速部室に来てくれるかな?
他の部員も紹介したいし……。」
「───はいっ!!」
「よろしくね。」
────ドキ……。
そう交わした会話の後、火照る体を精一杯引きずって帰るのがやっとだった。
「───………、」
あのくしゃくしゃした、少し茶色がかった髪。
子犬のような瞳。
スラリとした鼻立ちに、
ほどよい筋肉。
あたしより遥かに高い身長。
笑顔が優しくて、可愛くて、格好良くて───…。
正直な話、また会えるとは思ってなかった。
………こんなに。
こんなにも至近距離でなんて───……。
本当に夢みたい………。



