DEAR 1st 〜 SEASON〜







「……桜井さん。



俺らもう、初めから何もなかったことにしよう。」






─────………。









“桜井さん”








………もう………





“彩”って名前も呼んでくれないんだね──…。





あたしも、もう気持ちを整理しなきゃ。




あなたを見送るんだ。



ちゃんと卒業するんだ。







「……高山…さんも……



頑張ってね……?」









“高山さん”






その呼び掛けに、

ぶんちゃんは静かに頷いた。







「──…ありがとう。」






「──…こちらこそ…





ありがとう───…」







ギュッと繋ぐ互いの手。




最後の最後にあなたの温もりを感じた。






忘れないよ。




忘れない──…。









あたし達は無理矢理、






時間の針を





出逢う前へと戻した──…。