………写真………?
突然起きた出来事に、これは奇跡かと自分に問い掛ける。
紛れもなく心拍数が上がっているから、まんざら嘘ではないみたい。
「……あの………」
「あっあたし写真撮ってあげるよっ♪」
チヒロさんがパッと現れ、二人の前でカメラを構える。
……うそでしょ………?
「何二人とも固まってんの?もっといつもみたいにくっつきなよー♪」
チヒロさんの茶化す声に、ビックリして顔を上げる。
ぶんちゃん……?
みんなに別れた事…
言ってないの……?
「──もっとくっついていいよ。」
「えっ?あっ─…」
ぶんちゃんがあたしの肩をぐっと引き寄せる。
───…ドキン……。
あなたの変わらない香水の匂い。
変わらない………
変わらない、何もかも。
変わったのは二人の気持ちだ。
──…ねぇ。
カメラのシャッターが降りるまでは…
それまではこうやってくっついていてもいいの?
写真なんていらないから。
ずっと、
ずっとこうしていたいよ───……
━━━━カシャッ!
しかしそれは無駄だと言うように、シャッター音が周りに鳴り響いた─…。



