「───…」
思わず吸っている空気がキュッと縮まる。
久しぶりにこんなに近くで見る……
ぶんちゃんの姿。
存在をまた無視されるのを恐がるあまり、あたしはキョーコの影に隠れた。
…ダメなのに…
これで最後なのに…
分かっているのに、
どうしたらいいか分からない……。
「ねぇねぇ!!
みんなで写真撮ろうよっ!!」
…そんなチヒロさんの提案で、部員全員と集合写真を撮ることに。
真ん中に花束を貰って立つぶんちゃん。
その周りは後輩達がばっちりマークしている。
あたしも横に行きたかったけど……
こればっかりは仕方がない。
モゴモゴと顔の筋肉を緩め、表情を笑顔に変える。
あなたと映る写真は全て笑っていたい。
…そんな笑っちゃうくらい呆れた理由。
「じゃー撮るよー!!
はい♪
チーズッ★」
────カシャッ!
…………あ!!!
シャッター音と共に、運悪く目を閉じてしまった。
や……
やだよぉー……。
かなり間抜けな顔になってるんじゃない?
はぁ………。
最悪。
最後に映る写真くらい、マトモな顔してたかったよ……。
肩をすくめガックリうなだれていると………
「───写真撮ろう。」
…………え…………
──…そう言ってカメラを差し出すぶんちゃんが目の前にいた。



