名前を呼ばれた卒業生が次々と立ち上がって行く。
──…ドキン、
ドキン──…。
胸に何回も釘を打たれたような刺激が響く…
「──3年5組。」
───ドクッ!!!!
「────…高山英寿」
「……はい」
そう返事をして、立ち上がったぶんちゃん。
ぶんちゃん…。
久しぶりに見るあなたにまた涙腺が緩んでいく。
今日もバッチリ決まった髪型。
大好きなあなたの姿。
でもその胸にはガーネットの十字架はない。
あたしの事も………
もう心には存在していない……?
思い知らなきゃ。
もうあなたはあたしのものじゃない。
「─────…ッ」
切ない思いから泣きそうになるのを、ぎゅっと唇を噛んでこらえた。
ちゃんと、
泣かないで見送るから。
あなたが旅立つ瞬間までは泣かない。
あたしも、一緒に卒業するね。
大好きなあなたから…。



