───…誰……? 目の前にいるヒトは一体誰なの? だってぶんちゃんはこんな事しない。 絶対に、しない。 「こーいう事されんの嫌なんだろ?抵抗しろよ」 「…………」 あまりに無抵抗なあたしを見て、ぶんちゃんは狂犬のように手首に噛みついた。 「やっ──…!! やだ痛い!!ぶんちゃ─…!」 違う。 ぶんちゃんじゃない。 こんな乱暴な扱い方しない。 宝物のように扱う優しく触れる指先。 “愛してるよ” そう言ってくれる優しい表情。 ねぇ 目の前にいるのは誰?