「うー……疲れたぁ…」
ホテルに戻り、クタクタの体を引きずって熱いシャワーを体に浴び──…
全身がリフレッシュした時には、変に目が冴えてきていた。
「──…彩……」
ぶんちゃんが後ろからぎゅっと抱き締めて来て。
「ん~…?」
甘えながらぶんちゃんの腕に手を絡める。
「あのさ──…
話があるんだけど…
聞いてくれる─…?」
─────…え?
全身が固まる。
後ろを振り向けなかった。
だって─…
だってね─…?
ぶんちゃんの声で、
あんまり良くない話だって事が読めるんだもの…。
「……や……やだ…」
どうしてそんな事を口走ったのか分からない。
でも……
どうしても聞きたくなくて。
「彩…
どうしても話さなきゃいけないんだ…」
「───……」
「──…聞いて…?」
「…………」
なかなか振り向かないあたしの肩に手を置き、ぶんちゃんはゆっくりと対面した。
「──…彩……
あのな………?
俺────……
春から
東京……
行く事にしたんだ────……」



