……数日後……。
「宜しくお願いします。」
ぺこりとスタッフに一礼するあたしとナナ。
あたしはナナのセレクトによって、バイト先にいた。
……今日はめでたく面接も受かって出勤初日。
街に佇む、洋風のメルヘンチックなカフェ。
ナナがここに決めた理由はズバリ“服が可愛いから”。
…確かにこの服はテンションが上がる。
少し姫チックでフリフリが利いたバイト服。
中もインテリアに凝っているし、メニューだっていちいち可愛い。
「桜井さんと笹原さんだね、じゃあこっちに来てくれるかな。」
店長に促され、小ぎれいに片付けられたスタッフルームへと通される。
スタッフルームには、
一人煙草を吹かす男の人が…。
きっと休憩中なんだろう。
店長は男の人を見つけると、助かったと言わんばかりに口を開いた。
「おぉユウキ。
この子達、今日から新人なんだ。
悪いけど説明お願いしていいかな?」
「あ、はいいいですよ。」
ユウキさんは気前よく頷くと店長は足早に店に戻って行った。
………コツコツ。
ナナがあたしをこずく。
「?」
なっ…
何だって言うんだ。
「…ちょっと…
かっこよくない?」
ナナがそう言って、ユウキさんを見つめた。



