DEAR 1st 〜 SEASON〜



「──…待って…」



「──待てないって言ったら…?」



「………」




……プチン……。


外れる制服のボタンから、コンプレックスの塊が次々と現れる。



──…恥ずかしい。



もう今にも顔から火が吹き出そうだ。




「…む…胸……


…小さいから…やだ……」



「…そんな事ないよ、可愛い。」





………かっ可愛い…?

この小さい胸の一体どこが…?


キョトンとするあたしに、ぶんちゃんはくすくすと笑う。




「……そういうとこが。」



「……う……。
あんまり見ないでね…?

恥ずかしいから…」





トコトコと浴槽に近付くあたしに、ぶんちゃんは両手を広げた。




「──…おいで?」





────…改めて感じた。



ぶんちゃんは男なんだって。


腕の大きさも胸の厚さも骨格も──…。



あたしとは全然違う……。






───…ポチャン…。




お気に入りの入浴剤を溶かす。


すっぽりとその胸に包まれながら、溶けていく入浴剤を見つめた。





──…そして沢山沢山話したね。


本当にしょうもない話ばっかりだったね…?




ぶんちゃんってば、
あたしを笑わせようと必死だったね。



無理して冗談ばっかり言ってたの、覚えてる?




いっぱいいっぱい二人で笑ったね。


笑い過ぎて、顔とお腹痛かったっけ。




…あぁそうだ。



あたしがのぼせて、茹でダコみたいになったらぶんちゃん笑ってたよね。





──…ねぇぶんちゃん。



二人で見るただの乳白色の入浴剤でさえ。


あたしには綺麗に見えて仕方なかったの。



相変わらずバカだなって。



笑ってもいいよ──…。