────新学期。
年も明け、また学校が始まった。
授業を受けていても、
目につくのは左薬指に光る指輪。
指輪を見つめてはニヤニヤするから困ったものだ。
でも、もうずっと肌身離さず身に付けている、彩の宝物だ。
「指輪見せて♪」
「いーよん♪」
ナナに指輪を手渡して一緒に覗く。
「……ふーん。
高山さんには指輪、
朝岡さんにはプーさんかぁ……。」
チラリとナナがあたしを見る。
「……な、何?」
「……いーなぁ…」
ナナはぷぅっと膨れて、ポテチの包みを開けた。
「でしょ?
ぶんちゃんってばね…」
「あーはいはい。
サンタの話はもうタコが出来る程聞いたよ。」
ナナは頬杖を付きながらポテチを食べ出した。
「も~!!もうちょっと話聞いてくれたって─…」
────♪♪…♪…♪
ケータイが急に鳴り始めた。
「高山さんでないかい?」
「うそっ?!?!」
ナナがそう言うと、あたしがパッと期待に頬を染める。
でもそれは────…
【着信;チカさん】
警告音だった。



