ぶんちゃんの困った顔が、彩をどんどん不安に陥れる。
まさか……
迷惑だった──…?
それとも……。
「……何で謝るの…?」
恐る恐るそう聞くあたしに、ぶんちゃんは更に下を向いて。
「…彩にクリスマスプレゼント買ってないんだ…。
ごめん……。」
「え……」
最悪なパターンを思い描いていたけれど。
これはこれでまたショックかも……。
「ごめん……」
ぶんちゃんが頭を下げる。
「ううん、全然…
謝らないで?」
…とは言いながら、
あたしもガックリと肩を落とした。
…期待…してた訳じゃなかったけど。
あたし一人で盛り上がってはしゃいでるみたいで。
“初めて一緒に過ごすクリスマス”。
……そんな特別な日だと勝手に思い込んでいたのは間違いだったのかな…。
ぶんちゃんにとっては、
異性と過ごすクリスマスなんか初めてじゃないんだろうな……。
きっと、恋人と過ごしたクリスマスがいっぱいあるんだろう。
……でも、
あたしは初めてだったんだもん。
好きな人とクリスマスに
デートするのも、
プレゼントを選ぶのも、
プレゼントをあげるのも……。
勝手にクリスマスはプレゼント交換するもんなんだって決めつけてたあたしが悪かったのかな…。
物が欲しいとかじゃなくて。
そんな浅ましい物欲じゃなくて。
どんなに安くてもいい。
ましてや、お金なんてかけてくれなくてもいい。
──…ただ、
ぶんちゃんがあたしの為に色々迷って悩んだ、そんな物が欲しかった……。



