中に入り、
少しだけ冷え切った心と体を温め、大好きなミルクティーを手に取る。
誰が何と言おうと、
あたしはこれが一番好き。
──…「ありがとうございましたー。」
レジで会計を済まし、
ドアを開けて外へ出ようとした時だった。
─────ドンッ!
軽い衝撃で前方が揺らぐ。
なにっ──………?
確認する前に、
彩はその衝撃に耐えきれず、地面へと転んだ。
「………いた………」
慌てて何が起こったのか理解しようとする。
………けれど。
「………ってーなぁ!
オイコラァ!!!!」
───…えっ………!
上から怒鳴り声が大きく響く。
その瞬間ビクリと体が硬直した。
何───…?
……多分。
多分だけど。
きっとこの人にぶつかった………?
「謝れやコラァ!」
間髪入れずに叫ぶ、
ヤクザ風のゴツい体付きのオヤジ。
ガタガタと震える頭に、口や声を支配する余裕などないらしい。
ど………しよ………
………怖い──…っ!



