DEAR 1st 〜 SEASON〜




ふと高山さんと目が合った。


制服姿の、学校帰りの高山さん。


未だに、自分の部屋に高山さんが存在しているなんて信じられない。




「───…大丈夫?」





そう言われて。

急激に視界が淀んだ。



気づけば、ポロポロと涙が頬を流れる。





「…ごめんなさい─…」



最近、自分でも涙腺のコントロールが効かない。

高山さんの前では笑っていたかったのに。


こんなボロボロの顔で涙なんて、余計に自分が惨めに感じてしまう。




「何があったの?」


「………」


「黙ってちゃ、何にも分からないよ…」




さっきより1トーン低くなる声。




「……あの…」


「ん?」




「…彼氏……と別れたんです──…」





──…やっと出た声。


けれど、短くそう告げるのが精一杯だった。