DEAR 1st 〜 SEASON〜

手が迅速に動く。


やっぱり気持ちは素直だ。



─────ピッ…。



「はい!!」


【あ、多分着いたよ。】



急いでカーテンを開け、窓を開ける。



「あ………」




そこには、窓の下から笑顔で手を振る高山さんの姿。


胸の鼓動を必死で落ち着かせながら、玄関まで全速力で駆けていく。



────バタン!



高山さんへと続く扉を開けた。




「──…早……」



そう言いながら、高山さんが苦笑して立っていた。




「わざわざありがとうございます…」





高山さんの姿を見て。


胸が詰まり、そう言うのが精一杯だった。