あの子の成績表

「でも表に出ている欄はすべて成績表を受け取る子供と親に向けたもので、わかりやすくしてある。『人間的評価』っていうのは、もっともっと心の深い部分を評価してるんだよ」

「いなくなった友達は『人間的評価』がマイナス100になっていました。マイナス100になるといなくなっってしまうんですか?」
私が質問すると、和らぎ始めていた用務員さんの表情が、また険しくなってしまいました。

「そうか。君たちはよく観察してるんだね。そこまで知っているのなら、もうごまかすことはできないだろうね」
そう言って深くため息を吐き出すと、私と正樹を交互に見つめました。
「いいかい?『人間的評価』っていうのはさっき言ったように、深い部分を評価したものなんだ。それがマイナス100になるということは、このまま社会に出ていっても通用しないという意味になる」

「でも、評価するのは先生なんですよね? 学校での私達しか知らないのに、深いところまで評価できるとは思えません」
私たちにだって沢山の顔がある。

学校で友達に意地悪をしている子が、外では野良猫に餌をあげていたりするし、いい成績の子が家では全然勉強せずにゲームばかりしているときだってある。
学校で見せている顔がすべてじゃない。