あの子の成績表

「わかった。私が教えてあげるから、こっちへおいで」
用務員さんはそう言うと私達に背を向けて歩き出しました。
どうしても先生たちのところへは行かせたくないようです。

私達としては『人間的評価』のことがわかれば、話を聞かせてくれる相手は誰でもいいので、素直にその後をついていきました。
☆☆☆

用務員さんにつれてこられたのは、1階の奥にある用務員室と書かれた部屋でした。
そこに入るのはもちろん初めての経験で、少しだけドキドキしました。

中は6畳くらいの和室になっていて、テレビやテーブル、ポットなどが置かれています。
部屋の奥にはたたまれた布団まであって、ここで寝泊まりできるような雰囲気でした。

「そこに座って」
用務員さんに言われて私と正樹はテーブルの手前側に座りました。
用務員さんは小型冷蔵庫から麦茶を取り出してコップに注いで出してくれました。

ここまで全力でかけてきた私はこのときようやく体が熱を持っていることや喉の乾きに気がついて、コップの麦茶を一気に飲み干してしまいました。
用務員さんはすぐに次をついでくれたので、それにはチビチビと口をつけました。