あの子の成績表

一瞬聞き間違いかと思って正樹と目を見交わせました。
だけど、聞き間違いじゃありませんでした。
リビングへ通された私たちはその部屋に驚いて入り口で立ち止まってしまいました。
そこには子供の写真があちこちの壁や棚の上に飾られていたんです。

きっと、大輔くんの写真だったんでしょう。
写真の中の男の子はすごく活発そうに微笑んでいて、カメラへ向けてピースしています。

中には運動会で1位の旗を持っているものもありました。
大輔くんは運動が得意みたいです。
「さぁ大輔、こっちにおいで」

お母さんに呼ばれて視線を向けると、キッチンのテーブルにご飯が用意されていました。
ひとりぶんです。

「あの、俺たち話を聞きたくて来たんです」
「そう。それなら座って」

会話が通じているのかどうか不安がありましたけれど、私達はとりあえずキッチンの椅子に座らせてもらうことになりました。
昼ごはんには遅く、晩御飯には随分と早いのにと思いながら、正樹の前にあるおかずを見つめました。