あの子の成績表

正樹は私にではなく、神田くんへ向けて説明しました。
神田くんは真剣な表情でふんふんと頷き、話を聞いてくれます。

「1年前。僕が4年生のころだけど『人間的評価』って書かれた成績表を見たことがあるよ」
神田くんの言葉に私は思わず見を乗り出してしまいました。
「それ、どこで見たの?」

「友達の成績表。そいつ終業式の日に学校に来てなくて、家が近いから成績表や夏休みの宿題を届けに行くことになったんだ。ほんっと、二人分の宿題を持って歩くなんて地獄だったんだ!」

神田くんが大げさに嘆いてみせるので、私は真剣に「そうだよね」と、頷いて見せました。
重たい届けものがあるときは先生に行ってほしいと思うものです。