あの子の成績表

神田くんは正樹と違って外で遊ぶタイプのようで、よく日焼けしていて半袖から除く腕は引き締まっています。

室内でずっと爆弾作りをしている正樹とは大違いです。
「はじめまして、急に来てごめん」

「う、ううん。正樹の友達なんだよね? よろしく」
年下と年上でも、小学生にとっては敬語は必要ありません。
私達は互いにぎこちない挨拶を終えてようやく室内へと入ってきました。

冷えたリビングに入ると男ふたりは生き返ったように大きなため息を吐き出しました。
その口から熱された炎が見えたような気がして、私は慌てて氷を沢山いれた麦茶を用意しました。

ふたりの中でマグマが渦巻いているのなら、すぐに消火する必要があります。
ふたりは麦茶を一気に半分ほど飲み干して、ようやく本題へとうつりました。
「それで、成績表のことなんだけど」

正樹がそう言っズボンのポケットから自分の成績表を取り出してテーブルに起きました。
無理やりポケットにねじ込まれていた成績表はクシャクシャにシワがついてしまっています。
正樹が成績表を開くと、つい科目ごとの評価に目が行ってしまいました。

正樹はほとんどの科目に2がついているのに、算数と理科だけが5でした。
5は私もつけてもらったことがない評価なのでなんだか嫉妬してしまいます。
「瑞希が言うには、ここに『人間的評価』ってのがあったらしいんだ」