あの子の成績表

だけどもう遅いです。
行ってしまった言葉をもう一度飲み込むとこはできません。
「大丈夫よ。あなたたちが心配することじゃないから」

そう言い切った先生の言葉には違和感がありました。
大丈夫とは、穂波がどこにいるのか、なにをしているのか知っているときの言葉じゃないでしょうか?

友達がいなくなって心配になるのは普通のことなのに、心配しなくていいというのは、無理なことじゃないでしょうか?
それに先生が私達から視線をそらせていることも気になりました。
先生はなにか知っているんじゃないか。

そう、思いました。
「先生は穂波がどこにいるか知っているんですか?」
正樹が質問すると、今度は先生が真っ直ぐにこちらを見ました。

その目はさっきよりつり上がっています。
だけどなんだか、わざとそうやっているように感じられました。

「そんなことより藤井くん、あなたまた爆弾を作っているみたいね? そんなことをしていたら、警察に捕まりますよ?」
急にあらぬ方向から攻撃を受けて正樹が戸惑った顔になりました。