あの子の成績表

☆☆☆

私達の通う小学校では夏休み中はグラウンドが開放されていて、子どもたちが自由に出入りをして遊んでいます。
この日も何人かの子どもたちの姿がありましたが、みんなこの学校の生徒のようです。

ブランコや滑り台で遊ぶ子供たちの横を通り抜けて校舎へと向かいました。
「俺、天才かもしれない」
校舎へ続く通路を歩きながら突然正樹がそんなことを言い出したので、私はとまどいました。

「天才?」
ようやくそう質問すると、隣を歩く正樹が満面の笑みをこちらへ向けました。
その顔は誕生日とクリスマスが同時にやってきたような、そんな笑顔でした。

「爆弾が完成しそうなんだ」
小声でそう言われて私は更に戸惑いました。

本格的な爆弾を密かに作っていることは知っていましたが、完成間近だったとは。
「それ、本当に爆発するの?」
「やってみなきゃわからない。でも、できる気がする」

自信満々に言う正樹の目が輝いています。
人は本当に好きなことをしているときには目が輝きますが、正樹もそんな目をしていたので、ダメだとか、やめといたほうがいいとか、否定的なことは言えませんでした。

「そうなんだすごいね」
私はそう答えながらも、どうか正樹の爆弾が不発で終わりますようにと願っていました。