あの子の成績表

女性は真っ赤な目を大きく見開き、私と正樹を睨みつけてきます。
なにもしていないのになにかとてつもなく悪いことをしてしまった気分になって、顔をそむけてしまいました。

もしかしたら、私達は無意識の内に穂波を傷つけていたのかなと、本気で考えました。
「おい、やめないか」

後ろから穂波のお父さんが止めてくれなければ、私達は魔女のような穂波のお母さんに食べられていたかもしれません。
「ご、ごめんなさい。失礼しました」

さすがの正樹も驚いてふたりで慌てて玄関から飛び出しました。
そのまま自転車のところまで走って飛び乗り、全力でこいで少し離れた公園までやってきました。

「はぁ……はぁ」
暑さも忘れて自転車をこいできたため、気がつけば全身が汗だくになっています。
私と正樹は一目散に水場へと向かい、下向きの水道をひねって水を頭からかぶりました。

正樹の顔は真っ赤になっていたから、きっと私も同じくらい真っ赤になっていたと思います。
それから木陰にベンチに座って溶けてきたスポーツドリンクを飲むと、ようやく落ち着きました。