あの子の成績表

それからしばらくするとさっきの女性がお盆を回収して、代わりに服を持ってきました。
広げてみると上から下までがつながった作業服でした。
こういう服を着るのははじめてなのでちょっとだけドキドキしました。

でも着てみるとあちこちほつれていて、穴が開きそうだったり汚れていたり、汗の臭いが染み付いていて顔をしかめてしまいました。
「ははっ。臭いやろ? あの人たち洗濯もせんとお下がりの作業服持ってくるんや」

これはお下がりだったのかと少々落胆していると、すぐに昨日の女性が部屋をノックしてドアを開けてきました。
私達の準備が整っているのを確認して「外へ」と、合図してきます。

まずは佳苗ちゃんが部屋を出て、その後を私が続きます。
部屋の外はふたりが並んで通れるだけの通路になっていて、ここも薄暗い裸電球がぶら下がっているだけでした。
どこからか、換気扇がまわるカラカラという音が聞こえてきます。

部屋は他に5部屋あるようで、中から同じような薄汚れた作業服を着た子たちがゾロゾロと出てきて、合計10人での大移動となりました。
私は密かにその中に穂波がいないか探しましたけれど、いませんでした。