いるんじゃん。 そりゃそうか…… なに勝手に期待してるんだろ。 「あたし、バカだ……」 人混みにぶつかりながら、 涙を流す一人の女。 クリスマスなのに、 せっかくのクリスマスなのに。 最悪のクリスマスだ。 そのとき。 「おいっ!待てよっ!!おいっ!!!」 急に腕を掴まれたあたしは、ただ呆然としていた。 だって、掴んだ人が、 アイツなんだもん。