けれど交際に至ってからも界斗の暴走は止まらない。
いつまで経っても栞は自分に自信が無いし、下手をすれば「貴方にはもっと相応しい人がいるから」などと言って離れていくことも無いとは言えない。
ようやく手に入れたのだ。絶対離してなるものか。
そうして至った結論が、今この状況だ。
元より自分は最初からこのつもりだった。半年も待ったのだ。
差し出した小箱を前にこれでもかと目を見開いた愛しい女。
何度見ても、この夜空のような黒とルビーのように輝く赤がたまらなく好きだ。
狼狽え、戸惑いながらもきっと彼女は受け取ってくれる。そう確信があった。
傲慢になったものだと思いながらも、瞳を潤ませながら笑顔でそれを受け取った彼女を見て、先に涙をこぼしてしまったのは自分が先で。
結局は先に惚れた方が負けなのだ。
一生彼女にはこうして恋に落とされ続けるのだと、痛感するしかなかった。



