ハロウィンの悪魔






「顔ははっきり見えなかったけど、すらっとしてて綺麗な感じの人。雰囲気美人ってやつ」
「ええー…分かってたけどなんかショック…」
「アレ見てなんかスーッと冷めちゃった。だってあの御堂さんがすごい笑ってたんだもん」


心臓を刺されたような痛みが走り、視界が回り天地がひっくり返ったかのような感覚に襲われ、耳鳴りがして気が遠くなる。


「もう好き好きオーラ全開って感じ。公共の場で隠そうともしないからあれは狙うだけ無理だわってなった」
「そうなんだー…」
「じゃああの人ガッツリ振られてんじゃん。カワイソ〜」


女性社員が遠ざかっていくのを感じながらも、栞はその場から動けなくなっていた。


最後の方は全く耳に入ってこず、ぐわんぐわんと頭の中が揺れていた。


ーーそうだよね、当たり前だ。


界斗ほどの男だ。女性など放っておいても寄ってくるしその中で新しい好きな人ができたって不思議じゃない。

それに突き放したのは紛れもなく自分だ。

遅かれ早かれこうなっていた、それが少し早いだけ。