ハロウィンの悪魔







うだうだと悩んでいる内に時間は過ぎ、二週間が経とうとしていた。


この時期は通常業務に年末調整の業務が重なって忙しく、残業を余儀なくされる。


定時過ぎに少し休憩をと自動販売機でコーヒーを買って近くの椅子で一息ついていると、いつかの後輩社員集団が帰宅しようとしていた。

うげ、と心の中で毒を吐きながら素知らぬ顔でコーヒーを飲んでいると意図してかそうでないかは定かではないが、またも楽しそうに声を上げて話し始めた。


「そういえばこの間、すごいの見ちゃった」


聞き耳を立てているわけでもないのに、彼女達の甲高い声は勝手に耳の中へ侵食してくる。


「御堂さんが女連れて歩いてたんだよね」
「えっ、それホント!?」
「どんな女よ!」


聞きたくないのに、界斗の名前に悲しいかな体が勝手に反応してしまう。