ハロウィンの悪魔





翌日、栞は遥香に電話をした。


『だからごめんって〜』


電話越しに両手を合わせ、くりくりの大きな瞳で上目遣いをしながらこちらを見上げてくる様子が目に浮かぶ。


『しーちゃんのこと心配だったんだよぉ。そしたら御堂くんが協力してくれっていうからさあ』
「だからってなんで騙し討ちみたいな事…」
『だって御堂くんと一緒なら変な虫寄ってこないでしょ?』


確かにあのレベルの男を差し置いて声をかけてこようと思う強者は居ないとは思うけど。


そもそも、遥香にしろ界斗にしろ自分を買い被りすぎなのだ。

余程の贔屓目で見たところで中の上……いや中の中レベルの自分悪い虫どころか小蝿すら寄ってくるはずがない。



『それで、御堂くんとはどうなったの?』
「もう会わない事にしたよ」


間髪入れずに答えた栞の返事に少し間を置いて「そっかあ」とどこか分かっていたような口ぶりで遥香は言った。