朝日を浴びた界斗は後光が差したようでいっそう美しく見えた。
ーーこれ以上流されてはいけない。
グッと拳を握りしめて服を整える界斗に声をかけた。
「御堂さん、やっぱりもう会えません」
こちらに目配せした界斗と目が合った瞬間、高鳴る胸に決意が揺るぎそうになった。
「…あなたの気持ち嬉しいです。でも、私は貴方が思っているような女じゃない。あなたの目にどれほどの女に映っているか知りませんが、理想を押し付けられても迷惑なんです」
本当の栞は彼が綺麗だといった女でも、男を振り回す女でもない、何一つ取り柄のないただの冴えない女だ。
瞳の色が他人とは違うけれど、それだって見様によっては気味が悪いものだ。



