一晩を共に過ごした翌朝、栞はシーツで体を隠しながら床に散らばった服を拾い上げていた。
昨夜はお互い完全な素面だった。
それだというのに栞の頭はふわふわとどこまでも覚束ず、界斗に誘われるがまま唇を許し、そのまま倒れ込んだベッドの上で体を預けた。
またやってしまった、とひどく後悔した時にはもう遅い。
すっかり情事後になった体は怠く、腰も重い。
いつのまに付けられたのか、胸元には赤い所有印が散りばめられていた。
「…起きてたのか」
未だ半分夢の中にいるような掠れた声にビクリと体が震えた。
下着一枚だけを身に纏う界斗の体はまるで美術品でも見ているように美しい体つきで、急に昨夜の事を思い出しかっと顔に熱がこもり勢いよく目を逸らした。
夜を過ごしたこの部屋は栞の予約した部屋でなく、界斗の取ったスイートルームだ。
さすがに何も言わずに帰るつもりは無かったのだが、前回と同じように黙って居なくなると思ったのだろうか、界斗は栞の腕を引き自分の元へ引き寄せた。



