「み、御堂さ…」
「話は後だ。とりあえず座ってくれ」
不思議そうな顔をするウェイターを安心させるように言って飲み物を適当に頼んで下がらせ、栞は目の前の麗しい男と対面する。
「どうして此処に御堂さんが…」
そこまで言ってハッと気付く。
此処のホテルの食事券を渡してきたのは誰だったのかを。
「遥香…ですか?」
声を低くしてそういえば、界斗は静かに首を横に振った。
「比山を責めないでくれ。俺が頼んだんだ」
「……」
「どうやっても会ってくれなさそうだったからな。少し強引な手を取らせてもらった」
連絡無くて油断してただろ?と図星を突かれ頭痛がした。
徐々に減っていく連絡の中、水面下で仕組まれていた作戦にはもはや白旗を上げざるを得ない。



