ハロウィンの悪魔




以降、何故かぱったりと界斗からの連絡はなくなった。

これで良いのだ。
自分が望んだ事なのだから。



そうして平和な残りの半月を過ごしあっという間に今日、誕生日を迎えた。



その日は何もかもがツイていた。

朝イチで行ったエステサロンではハロウィン割引が適用されたし、美容院ではこれまで染めた事がなく痛みの無い黒髪が美容師に気に入られ、カットモデルをお願いされ料金がほとんどタダになった。


なんて素晴らしい日だとルンルン気分でホテルにチェックインし、新しく買ったドレスに着替えてレストランへと向かった。

受付で名前を名乗ると感じの良いウェイターがにこりと笑った。


「朝比奈様ですね。お連れ様は先にいらしてますのでご案内します」
「へ?」


お連れ様なんて居ない。

誰かと勘違いされているのだろうかとそのウェイターの後についていった先で目にした姿に、息が止まりそうな程驚いた。


正装に身を包んだ界斗が、何食わぬ顔で席に座っていた。