ハロウィンの悪魔




「はあ…」


今は昼休み。
先程まで食堂で昼食を摂っていたのだが、何故か一人でいるにも関わらず何かと刺さる周囲の目が気になりその居心地の悪さから意味もなくトイレの個室へ逃げ込んだ。


いい加減距離を取ったほうが良いのかもしれない。

けれど此処ではただ同僚として慕ってくれているだけなのに、目立つからもう話しかけてくれるなというのも些か勝手な気がする。



無限ループだ。


再び大きなため息を吐き、腕時計を確認しさすがにそろそろ戻らなければとドアを開き洗面台に立ったところで、若くはつらつとした声を上げる後輩社員の数名が入ってきた。


鏡越しに目が合うと、途端に嬉々とした表情を一変させる。


全く関わりのない別部署の後輩女性社員だ。名前すら知らない。

三年目くらいからは新入社員の名前を覚えるのも諦めたのでそれ以降の入社組だろう。


小さく「お疲れ様です」と言って距離をとりつつ手を洗っていると、彼女達は明らかに聞こえる声量で「そういえばさあ」と刺々しい声を発した。